宝塚歌劇 公演中止?上演? その判断について

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代役を立てて上演した公演

宝塚大劇場 星組公演『1789 -バスティーユの恋人たち-』が

約2週間〔6月3日~18日11時公演まで〕中止となりました。

「1789」は、日本では過去に3度(宝塚1・東宝2)上演されたことのある評判の高いフレンチ・ロック・ミュージカル。

おまけに、トップスター礼真琴さん(こっちゃん)が「(主役の)ロナンをやらせて欲しい」と作曲家の ドーヴ・アチア氏に直に伝えたほど、熱望されていた作品です。

宝塚ファンだけではなく、ミュージカルファンからも期待されていた作品のため、チケット入手が非常に困難な公演となりました。(あくまでも、私の体感です)

それが初日開けて翌日から中止。

なんとか確保できた貴重なチケットが流れたら泣くに泣けない・・・

「なぜ代役を立てて公演を続けないのか!」とお怒りになるかたのお気持ちはよくわかります。

私もチケットが数枚流れてしまいましたから😭

 

公演を中止するか代役を立てて上演し続けるか?

劇団は、どういう基準で判断されているのでしょうね?

過去に代役を立てて上演された公演を振り返りながら、考えてみようと思います。

代役を立てた公演 -感染リスクゼロ-

劇団が公式HPで「休演者のお知らせ」を発表した場合、詳細については次のいずれかが記載されていたと思います。

・怪我のため

・体調不良のため

・詳細ナシ 

 

そのうち一番わかりやすいのが「怪我」

感染リスクがゼロです。

 

上級生で記憶に新しいのは、現月組トップスターの月城かなとさん(れいこちゃん)

2019年東京宝塚劇場 月組公演『夢現無双』『クルンテープ 天使の都』の途中から怪我で休演されました。

お芝居の代役は、風間柚乃さん(オダチン)。

オダチンの役を蘭世惠翔さん(ゆうきちゃん)がされています。

この影響で公演が中止になることは、当然ながらありませんでした。

代役を立てた公演 -感染リスクは不透明-

次に、「体調不良のため」という理由。

劇団は「インフルエンザに感染」「コロナに感染」という発表はしないため、

どういう原因で「体調不良」になったのかは不明のままです。

風邪だってうつると言えばうつりますからね・・

憶測の域を出ないのですが、感染リスクがあったかも?! と思い当たる節はこの3つ。

2009年宝塚大劇場 宙組公演『カサブランカ』

2009年といえば・・・新型インフルエンザパンデミック。

大空祐飛(現芸名は大空ゆうひ)さんのトップお披露目公演中に

連日複数人の休演者が発表されました。

マックス9名前後だったかと思います。

これはもう、新型インフルと思っちゃいますよね・・・

 

十輝いりすさん(まさこさん)の代役を蓮水ゆうやさん(ちーちゃん)

ちーちゃんの役は澄輝さやとさん(あっきー)が玉突きで。

他にも、入れ替わり立ち代わり複数人が休演されていたと記憶しています。

 

それでも、公演の中止はありませんでした。

パレードセンター降りも、代役さんが入って降りてきたので、

代役さんのズレたところにまた違う生徒さんが入っていたりして

「〇〇ちゃんが降りてる!」とウハウハしたものです。。。不謹慎😓

生徒さんはお稽古が大変だったと思うのですが、観ているこちら側からは

頼もしく思えるほど、しっかり代役をこなされていたと思います👍

 

2016年宝塚大劇場 雪組公演『るろうに剣心』

2016年もインフルエンザが大流行しましたね。

ネットニュースにも小池修一郎先生(小池先生)の発言として

「インフルエンザ」と明記されていますので、

これはもう、インフルエンザ!

デイリースポーツ 宝塚雪組 インフルで休演者続出

「るろうに剣心」も、一気に休演者のお知らせがあったかと思います。

ニュースによると、マックス6名ということになるのかな?

彩凪翔さん(しょう君)の代役は同期の真那春人さん(マナハル)

他にも代役があったり抜けたり・・・

 

異例なこともありました。

新公学年外の上級生が新人公演に出演!

新人公演(新公)で火男役がついた100期生の汐聖風美さん。

インフルエンザに感染されて、新公も休演になってしまいました。

本公演でも休演者が続出していたため、新公の代役を立てるには稽古期間も足りなかったのでしょうね。

生徒の負担軽減を見据えてのことだと思いますが、本役が新公に出て演じると発表されました。

 

火男といえば・・・

四乃森 蒼紫様(あおし様)に仕える御庭番衆の一人。

アクロバティックな振りもあり、一人欠けたら成立しない

という判断だったのでしょうね。

異例の異例、本役の久城あすさん(あす君)が新公に出演され、いぶし銀の演技を魅せていました。

最後の挨拶の時にはもちろんおらず、「サッと現れサッと消える・・まさに御庭番衆だわ♪」と思ったことを覚えています。

 

 

2022年全国ツアー 星組公演『モンテ・クリスト伯』『Gran Cantante !!』

こちらはまだ1年もたっていませんね。

経緯だけ記しておきます。

①9月1日(初日)前に有沙瞳さん、紘希柚葉さんの休演が発表

②13日~18日は公演中止

③19日~21日(大千穐楽)は上演

 有沙瞳さんと紘希柚葉さんは復帰。 

 大輝真琴さん、綺城ひか理さん、天華えまさん、二條華さん、紅咲梨乃さん、乙華菜乃さん、

 飛翠真凛さんが休演。

 

マックス7名の休演者が出ても中止せずに上演しました。

全国ツアー中ですから、中止期間中は旅先のホテルで缶詰めになっておられたのではないでしょうか。

代役になられたかたはホテル内で独りで稽古されていたのかしら?

などと思うと、生徒さんの頑張りに胸が熱くなります。

代役を立てられるかどうかの判断

【主な配役】に入っている生徒が十数名以上休演した場合

前述のように、劇団は6~9名がインフルエンザやコロナ(だと憶測)に罹患したときも公演は中止にせず、代役を立てて上演しています。

中止にすると数千万円~の損出ですから、できるものなら上演したいでしょう。

 

ですから、今回は

代役を立てられないほど多数の休演者がいた

ということなのでしょう。

致し方ないです💧

 

「新人公演は少人数でできているではないか」というご意見もあるとは思いますが

「健康な人間が充分な稽古をして、決まっている役を演じる」ことが前提の新人公演と

「誰がいつ抜けるかわからない状態で、稽古時間も不充分な(時には玉突き)代役を演じる」

のとでは全く違うと思います。

 

 

宝塚はスター制度で成り立っています。

【主な配役】に入ったり、

新人公演で主役をしたり、

ショーのピックアップメンバーに入ったり・・・

さまざまな経験を積み、

【主要キャスト】になれるのは、ほんの一握り。

そこから【番手スター】まで登り詰めることができる生徒もほんの数名。

【主要キャスト】や【番手スター】になると、役の比重も高くなり、誰でもその代役ができるわけではありません。

【番手スター】の代役は【主要キャスト】がやります。

【主要キャスト】の代役は中堅の生徒。

 

代役の代役の代役??とか。 どこまで玉突きが起きるのでしょうね。

その代役を相手にして演じる側の生徒にも、負担は少なからず生じるはずです。

大人数の代役が入った公演は、大変ですよね・・・

 

クゥオリティーの問題もありますし・・😓

 

 

そのため、一概に「何名以上」とは言えないですが

【主な配役】に入っている生徒が十数名以上休演してしまうと

代役を立てて上演するのは厳しくなっていくのではないか?

と私は思います。

 

 

6月16日に行われた阪急阪神HDの株主総会で、

宝塚歌劇団に苦言を呈する質疑応答があったようです。

「1789」公演中止について株主からの苦言に対して、

角CEOが今回の星組罹患者は1/3を越えていると発言されています。

デイリースポーツ 星組「1789」罹患者が1/3越え

えええっと・・・出演者は

星組生76名 + 専科の輝月ゆうまさん(まゆぽん) ですから

罹患者は26名以上になりますかね😭

 

宝塚は(特に小池先生作品は)代役稽古もしっかりしているので

・本役の稽古

・元々ついていた代役の稽古

があったと思います。

 

26名以上の代役を立たせて(もしくは穴抜けがある)舞台を成立させるには

・玉突き代役になったときはその新たな役の稽古(相手役も)

・「1789」は群衆で移動する場面が多いため、舞台稽古も入念に

 

そして休演者が復帰すると本来の役に戻るため、思い出しのためにある程度の稽古も必要になってくるのではないでしょうか。

生徒にかかる負担は多大なものだと思います。

 

生徒さんは稽古疲れで体力も低下しているかもしれず、さらに罹患者が増えていく可能性もあります。

ここはもう、公演中止にするしかなかったのでしょうね。

しっかり休養して体力をつけて戻ってきてほしいです。

 

代役の負担

また、

・本役がたくさんいる中に代役が数人ポツン、ポツンと入る

・代役しかいない場面がある

この2つでは、代役にかかる負担も全く違うのではないでしょうか。

 

『モンテ・クリスト伯』では 天華えまさん(ぴーすけ)が休演することになり、

蒼舞咲歩さん(さきっぽ君)がルイジ・ヴァンパの代役になりました。

たとえ少し噛んだとしても、その場に存在してくれるだけで神! というような気持ちで

私は千秋楽の配信を見ましたが、無用な心配でした。

さきっぽ君って独特な空気をまとっている人だと思うのですが、

代役でも、さきっぽ君らしい個性的なヴァンパを演じていました👏 

 

これはひとえに、さきっぽ君のお稽古の成果だと思いますが、

狂言回しの相方(笑)である暁千星さん(ありちゃん)が、

見えないところで支えていたのではないか?と私は思っているのですよ。

 

もし、ありちゃんも休演していたとしたら?

ベルツッチォも代役さんになります。

代役ベルツッチォと代役ヴァンパで、限られた時間の中、阿吽の呼吸を合わせる芝居を作り込めたのかはわかりませんよね。

登場する場面や立ち位置を熟知しているありちゃんがいて、「いくよ~」と引っ張ってくれたのもさきっぽ君の支えになったのではないかと思っているのです。

(実際に「いくよ~」と引っ張っていたのかは知りませんけれどね😂)

 

芝居をする相手が代役さんであるかどうかで、代役さんにかかる負担もかなり違うのではないかと思います。

 

中止の判断は的確に!

大量に罹患者が出たのが原因です。初日が開くまでの間、かなり無理をして稽古をして、初日何とか開けたんですが、初日公演が終わったあと、重要な役の生徒が発熱。(続く)

前述の株主総会内で、角CEOはこのような回答をされています。

 

デイリースポーツ 星組「1789」罹患者が1/3越え

 

6月2日の宝塚大劇場での初日に向け稽古等公演準備を進めておりますが、公演関係者に複数の体調不良者が判明し、公演準備に遅れが発生しております。そのため、初日を迎えるための舞台稽古、舞台上での安全確認の時間を確保するにあたり、6月2日(初日)の開演時間を15時30分開演に変更させていただきます。(公式HPより抜粋)

 

公式HPから

「お稽古中に体調不良者が複数人出たため、稽古が滞り初日が開けられるかギリギリの状態だった。

けれども出演者全員が回復し、初日開演時間を遅らせて幕を開けられる運びとなった。」

と、私は理解していました。

 

 

初日が開いたのに翌日から中止って・・?

かなり無理をして稽古をしたら、体調不良者が新たに出てもおかしくないですよね。

感染率も高いというのに、

なぜ、初日を開けたのでしょう?

 

お稽古を中止して生徒に休養をとらせていたら、

これほどまでに中止期間が延びなかったのではないか? (たらればですけれども)

と残念でなりません。

 

昨年の宝塚大劇場 月組公演『グレート・ギャツビー』も初日から6日間中止にしたあと、

8日間公演をして、その後また3週間中止でした。

見切り発車をすると最悪の結果になります。

その教訓は活かされていなかったのでしょうか?

 

生徒や観客を第一に考え、中止の判断は的確に!

どうかよろしくお願いします。

 

そして、角CEOが回答された内容は、

公式HPできちんと説明をするべきだと私は思います。

事情を説明しないから、こちらは不安になりますし不満も出ます。

誠意を感じられないんですよね・・・

 

こっちゃんの次回別箱休演についても、劇団はこのままスルーなのでしょうかね?😑

こっちゃんにちらっと説明させていましたが、劇団が説明するべきだと思います!

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