2023年6月2日(金) 宝塚大劇場 星組公演『1789 -バスティーユの恋人たち-』
初日を観劇しました。
複数の体調不良者が判明し公演準備に遅れが発生しているため、開演時間を13時から15時30分に変更しての上演になりました。
私は、2015年の月組版を1回(早乙女わかばオランプ)、2016年東宝版を3回、2018年の東宝版を2回観ています。
2016年東宝版のCDも持っていて、Blu-rayなどの映像は持っていないため、月組版と東宝版の記憶がごちゃ混ぜ状態。
楽曲が流れると加藤和樹さんや花總まりさんの歌声が脳内再生されるという・・😅
あまりよろしくない状態での観劇でしたが、今回の星組版ニュー「1789」のファーストインプレッションを記したいと思います。
※ネタバレになりますのでご注意ください。
礼真琴・暁千星・極美慎 革命の三兄弟の成長物語
ロナンとヒヨコの革命家たち デムーラン、ロベスピエール
パリの街角で革命家デムーラン(暁千星)とロベスピエール(極美慎)の演説を聞いたことがきっかけで、農夫の息子ロナン(礼真琴)は二人と知り合います。
父を殺され仇を討つためにパリに出てきたロナンにとっては、二人の演説はきれいごとにように思えて異を唱えます。
そんなロナンの話をもっと聞きたいと誘うデムーラン。
そこで三人で歌う曲が「革命の兄弟」です。
自由と平等と博愛を掲げ理想に燃えている二人は、ロナンに「身分が違っていても僕たちは兄弟になれる」と言います。
「本気でそう言っているのか?」と呆れた反応をするロナンに、デムーランは「冗談で言うと思うか?」とキラキラした目で答えます。
その目を見てロナンは「よし、信じよう」と言うのですが、ここはどういう気持ちなんでしょうね。
兄弟なんてなれるわけないだろうと思っているけれど、「一度信じてみるのもいいか」というような軽い気持ちなのでしょうか。
そこがあまり伝わってこなかったので、「俺たちは革命が産み落とした兄弟だ」という歌を聞いても、いまひとつピンとこないというか・・・青い。
困難なことが待ち構えているであろう現実を覚悟できているとは思えない、まだまだヒヨコの革命家に見えました。
・・・そんな青さも可愛いのですけれども💙
ロナン、デムーラン、ロベスピエール 真の革命の兄弟になる
ロナンはパレ・ロワイヤルで無実の罪で捕まり監獄に入れられます。
余談ですが、
拷問を受け、焼きごてを押し付けられ悲鳴をあげるロナン。
礼真琴さん(こっちゃん)は、昨年の9月も焼きごてを押し付けられて悲鳴をあげていたことを思い出しました。〔全国ツアー「モンテ・クリスト伯」〕
こんなに頻繁に、鞭で打たれ拷問を受ける役が回ってくるトップスターさんって・・・?
なかなかいなのでは?😓
さて、脱獄したロナンは、印刷所でデムーランとロベスピエール、ダントン(天華えま)に再会します。
「飢えと寒さで震えていた冬の夜、お前たちは暖炉で眠っていただろう!
お前と俺が兄弟だなんて誰が信じる!」と爆発するロナン。
私はキレのあるダンスを見るのが好物なので、この場面のロナンと印刷工たちのダンスがドストライクでした。〔振付:桜木涼介先生〕
ダンサーで揃えているわけではないですし、初日なのでまだまだまだまだ(笑)ですが、どんどんキレッキレッになっていってほしい~!!
印刷工の煌えりせ君が男前になっていて、キュン♪となりました! 男役10年を体現されている💙
ロナンの心の叫びを聞き、呆然と立ちすくんだり、歩きまわる革命家たち。
生まれや育ちが違う人間がいることを知っていても、肌で感じたことがなかったのでしょうね。
「貧しい育ちの君たちの全てを解ると嘘をつくつもりはない」と応えるデムーラン。
暁千星さん(ありちゃん)の真っすぐな視線が良かったです。
本音をぶつけたからといって、全てを理解し合えることはできない。
「人は同じと信じたいけれど、現実は違っている」ことに気付き、
それでも、人を解りたい、解ってもらいたい と各々が欲している。
その思いが重なって、ようやく「真の革命の兄弟」になれたのだと感じました。
初日ですから手探り感は否めませんが、伝わってくるものがありましたので、今後のパワーアップを期待したいです。
そして一幕ラストの大ナンバー「声なき言葉」へ繋がり、二幕になります。
二幕も壮絶なほどの大ナンバーばかり!
群衆のパワーに圧倒されてあまり覚えておらず・・・二度目の観劇後に続けられたらと思います。
二度目も冷静に観れるのか自信はないですが・・・😅
どの場面のナンバーも、星組の集中力と熱気が伝わってきました。
複数の体調不良者が判明し、お稽古が滞ったこともあったと思うのですよ。
こんな時こそ力を合わせよう! というパワーなのでしょうか。
胸熱になりました。
〔6月3日~8日まで公演中止という残念な発表がありました。再開後の星組パワーはこんなもんじゃない! 凄いことになっている!と信じています 〕
1つだけ・・・
極美慎さん(かりんちゃん)
プログラム頁が初一人載り。 フィナーレパレードも初一人降りになりました。
めでたいです! かりんちゃんは、このまま伸び伸びと育ってほしいです。
フェルゼン役の天飛華音は大健闘
月組版では一幕パレ・ロワイヤルでアントワネットとフェルゼンがデュエットしていた「許されぬ愛」という歌が、東宝版よりオランプのソロに変わり、今回の星組版もオランプが歌っています。
アントワネットはトップ娘役の愛希れいかさんが演じられ、フェルゼンはありちゃんでしたから、月組版がイレギュラーな演出だったのでしょうね。
そして、二幕の「世界の終わりが来ても」という歌が無くなり、ロナンの新曲「愛し合う自由」に変わりました。
これが痛い。
「愛し合う自由」は良いんです。
良いんですけれど、「世界の終わりが来ても」をなんとか残すことはできなかったのでしょうか。
ロナンとオランプ、そしてアントワネットとフェルゼンが「もしこの地上に終わりが来ても、この愛に終わりなど来ない」と愛を確かめ合う歌です。
しっとりとして好きな歌でした。
「世界の終わりが来ても」と「許されぬ愛」が無くなったことにより、フェルゼンの印象が薄くなったように思います。
その影響をモロに受けてしまった天飛華音さん(アマト君)
出番もさほど多くなく、ポイントポイントでの登場。
そのような辛抱役でしたが、アマト君は大健闘していたように思います。
アントワネットに逃亡の手助けを申し出るために登場する場面も、気持ちが途切れていませんでした。
アントワネットがカミテにいて、フェルゼンはシモテ側でアントワネットを向いてひざまづくので、客席正面からはアマト君の右の横顔しか見えません。
その横顔からは、「覚悟を決めたアントワネットの心を動かすことはできない」と悟った悲しみが伝わってきました。
アマト君は「ベアタ・ベアトリクス」のミレイ役も秀逸でしたけれど・・
初日でここまで作ってきたのは凄いなと思いました。
今後もどんどん進化されるでしょうから期待しています!
他にも気になったことはあるので、時間を見つけてまた書きたいと思います。
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